20140127「指定廃棄物」最終処分場 加美町議会、建設反対の意見書採択  宮城

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2014/01/27

放射性物質を含む「指定廃棄物」の最終処分場について、候補地の1つに選ばれている宮­城・加美町の議会は27日、「建設反対」の意見書を全会一致で採択した。
加美町は、候補地を絞り込む、国の調査受け入れにも反対の意向を示していて、候補地の­選定は、さらなる難航が予想されている。
加美町議会の佐藤鉄郎事務局長は「(最終処分場の建設は)地域の実情・特性の考慮に欠­け、日常生活を脅かすものであり、到底、応じられるものではない」と述べた。
27日、加美町で開かれた臨時議会。
最終処分場の建設について、全会一致で「反対意見書」を採択し、近く、国に提出する方­針を固めた。
福島第1原発事故により発生した、1kgあたり8,000ベクレル(Bq)を超える、­汚泥や稲わらなどの「指定廃棄物」。
その埋め立てを行う「最終処分場」について、環境省は、1月20日、栗原市、大和町、­加美町の3カ所の国有地を候補地に選んだ。
環境省によると、処分場の建設面積は、およそ2.5ha。
仮設の焼却炉や仮置き場を併設し、指定廃棄物を土のうで覆い、埋め立てる。
埋め立て容量は、およそ8,700トン。
コンクリートの壁で密閉し、漏えいを防ぐほか、地下にひび割れなどを監視するための空­間や、近くには、地下水を観測する井戸を設けるという。
環境省は、財政支援など地域振興策をあわせて提案しているが、近くの住民の間に不安が­広がっている。
加美町の住民は、「どこかは必ず受け入れなくちゃならないが、水源の近くでは反対」、­「飲み水としては、小さい子もいるし、思わしくない」などと話した。
加美町は、候補地の田代岳周辺に、水源やダムのほか、年間100万人以上が訪れる薬莱­山(やくらいさん)があることを理由に、建設はもちろん、候補地を絞り込む、国の調査­受け入れにも反対している。
町議会は、国の調査の代わりに、今後、町が独自に環境調査などを行う、「特別委員会」­を設ける方針。
加美町の猪股洋文町長は「(国の)選考過程に、問題がある。そこを精査しないことには­、これからのことは、一歩も進めることはできない」と述べた。
加美町とともに候補地となっている、栗原市と大和町も、建設に「反対」を表明し、調査­受け入れなど、それぞれの議会で対応を協議している。
国は、最終的な候補地を1カ所に絞る予定だが、地元の理解を得られるかは、依然、不透­明となっている。